作業場11℃、微酸性電解水で菌数管理
プレコフーズ 北東京配送センター(下)

 プレコフーズ(東京都、高波幸夫社長)の食肉処理場併設物流センターは5カ所。いずれの食肉処理場も11℃設定の低温クリーンルームで、微酸性電解水で菌数管理しているなど、安全と品質を徹底追求している。それは同社新拠点の北東京配送センターも同様だ。

長靴は底を手前向きに置く

 食肉処理場併設物流センターの内部に入る際、持参した取材用ボールペンは使用禁止を告げられた。その代わり、番号管理している作業現場用のボールペンを貸与される。安全面の徹底管理を入室前から実感した。
 エアシャワー前室の長靴置場は異様で、靴底がロッカーから正面に突き出た状態。あえて靴底を外方向に向けることで乾燥しやすく、汚れはひと目で分かるように工夫している。あらゆる布巾も鶏肉用、豚肉用、牛肉用を厳密に区別。洗濯機も豚肉用・牛肉用と鶏肉用で分けている。
 白衣とマスク、手袋、長靴で完全防備のうえ、手洗いは必ず2度行なう。これが済むとエアシャワー室の扉が開く。風速40m/秒、風量60㎥/分の強烈なエアシャワーを全身に浴びた後、ようやく、陽圧のかかる11℃設定低温クリーンルームの専用ゲートが開く。

ステンレス製アール幅木

 内部は隈なく明るく、天井は白色、床はグリーン色で統一された空間が広がっている。天井には丸く筒状白色布が何本も張り巡らされている。筒状白色布から低温の空気が沁みるように、温度ムラが生じないように室内へ流れ込む。これがHACCP対応の「ソックチリングシステム」。
 室内は1時間に45回も空気を入れ替え、高性能フィルターを通して2ミクロンまでの塵・ゴミを90%以上捕集するという。ちなみにスギ花粉は30ミクロン。こうして極限に近いまで細かい塵を除去して菌の繁殖を防ぎ、食品鮮度を常に最高の状態に保っている。
 床は硬質ウレタンコンクリート材を使った「ユークリート」。これは強靭で衛生的、乾燥しやすい高性能床材であり、「大理石と同じぐらい高価」(大島義弘センター長)という。床面四方は汚れがたまるのを防ぐため、壁面と直角とならないよう、ゆるやかに弧を描く「ステンレス製アール幅木」を採用している。
 こうした環境下で〃榮豚肉・牛肉――の作業区域を厳密に分け、それぞれ専用の搬入口から洗浄、加工、保管、搬出口までを一方通行化している。

微酸性電解水で常に殺菌

 鶏の内臓はカンピロバクターやサルモネラといった食中毒原因菌の保有率が高いが、豚肉・牛肉と区域分けし、一方通行化することで交差汚染を防いでいる。
 さらに、カンピロバクターやサルモネラ菌などを除去する微酸性電解水を工場内で生成し、食肉をはじめ器具、部品、作業室、個人衛生に至るまで微酸性電解水で洗浄する。
 高波幸夫社長は「微酸性電解水は厚労省も認める食品添加物で、人に優しい一方、菌は1000分の1以下に低減する」と効用を説明している。