食品工場の施工実績を展示
  企画設計力の違いをアピール
中設エンジ蝓‥豕事業本部営業部部長 富山英雄氏

    富山部長

 食品工場の設計施工を得意とする中設エンジ(名古屋市)は独自に構築した設計プロセスの手法が奏功、コロナ禍でも受注件数を伸ばしている。東京ビッグサイトで6月7〜10日開催される「FOOMA JAPAN2022」では映像技術を駆使してこれまでに手がけた工場の内部を紹介する。富山営業部長は「FOOMAは新工場の建設など明確な目的を持って来られる関係者が多い。施工実績を最大限アピールしたい」と意気込む。

 ――今回の出展内容は?
 富山 「食品工場のニューノーマルとは」のキャッチフレーズのもと展示内容をより充実させます。FOOMAは新工場の建設など明確な目的を持って来られる関係者が多く、施工実績を最大限アピールしたいと思います。

 まずは、映像モニターを3台つないで、当社が施工した食品工場の内部を動画で紹介します。ワイド感のある映像を切れ目なく流すことができ、実際の現場に立っているような雰囲気を演出させます。

 また、ロボットによる自動化の導入事例や当社の会社案内を動画で流します。PCと連動させて来場者にその場でプレゼンテーションできるようにします。

 その他に、時代の要請に合わせて、非接触による認証システムを前面に打ち出します。生体認証の技術を使い、マスクをしたままでも顔認証ができることがポイントで、勤怠管理システムとも紐づけられます。

コロナ禍でも食品工場の施工実績は多数

 ――最近の施工実績は?
  富山 今年4月に完成したエム・シーシー食品(神戸市)のポートアイランド工場(同市)やエスエスケイフーズ(静岡市)の藤枝工場(静岡県藤枝市)です。関東や関西の有力食品スーパーチェーンのセントラルキッチン、大型物流施設も手がけています。

 ――コロナ禍の前後で市場に変化はある?
 富山 インバウンド向けに土産品を製造している菓子メーカーなどの新工場の建設計画が相次いで中止になりました。一方で中食業界からの引き合いが強まっています。

 ――コロナ禍の影響で自動化のニーズがより高まっているのでは?
 富山 最近では、重量物を効率よく運ぶにはどうすればいいのかなど、搬送や保管、仕分け、値付け、検品作業での自動化・省人化のニーズが底堅いです。一方で、製造ラインの自動化や省人化のニーズは一巡したように感じています。

 また、SDGs推進の観点から食品加工残さをいかに有効活用するかも重要なテーマです。そこで当社では、たい肥化して地元の農家に供給し、農産品を仕入れるリサイクルシステムや、メタンガス化しバイオガス発電として利用することなどを提案しています。

展示ブースでは映像モニターを3台つなぎ、同社が施工した食品工場の内部を動画で紹介する

建築設計の手法に強み

 ――食品工場の施工実績が多い理由は?
 富山 建屋建築から空調・給排水衛生・電気といった工場設備に加え、生産設備や予防保全まで工場全体をプランニングする力があるからです。当社ならではの設計の進め方に特徴があります。特に工場内部から設計する力量は他社をしのぐと自負しています。

 ――設計の進め方に特長がある?
 富山 生産システム本部という工場内部の設計部隊とエンジニアリング本部という建築設計の部隊が「コンカレントエンジニアリング」と呼ぶ手法で同時並行して設計します。

 他社の場合、工場内部の設計は外部業者が行い、建築設計は内部で進めるケースが多いのですが、内部の設計者がお客様と打ち合わせをして、その内容を外部に伝えてすり合わせを行うため時間を要します。

 また、限られた時間内で無理に進めればトラブルが生じやすい。当社は並行して設計するため、限られた時間内でも密度高く進めることができます。

 食品工場の建設は一般的にヾ靄楫弉茵↓基本設計、実施設計の3段階で進めます。当社は基本計画の精度が圧倒的に高く、お客様は予算をコントロールしやすい。当社が一番の強みとしているところです。

製造現場に立つことも重要

 ――営業畑が長いが、実際の製造ラインに立ったこともあると聞く。
 富山 入社後、技術部に配属され設計や施工業務をしてきましたが、パンの製造工場で研修したことがあります。当時はコンビニベンダーのパン工場の設計を手がけることが多く、会社の先輩が設計した製造ラインに実際に立ちました。

 パート従業員さんと並んで、大量に流れてくるメロンパンを整列したり、色むらや焼け過ぎのパンを取り除いたりしました。そうすると、コンベアラインの幅が広すぎて手が届かない、なぜトレーがこの向きでここに置く必要があるのか、生ごみを捨てに行くのにこんなに歩くのか――といった机上では気づかなかったことが見えてきたのです。

 当社は建設業のためCADによる図面の引き方や安全管理、建設業法令など多くのことを学ぶ必要がありますが、実際に食品工場の製造現場に立ってみることも非常に重要と感じています。受け入れ側との調整が必要になりますが、そういった原点こそが当社の強みとして生きているので、後進にも経験してもらいたいと考えています。

 (とみやま・ひでお)1996年中央設備エンジニアリング(現中設エンジ)入社。技術部に14年、営業部に12年在籍し、2021年大阪事業本部営業部副部長、2022年現職。営業は粘り強さと社内調整が肝要と説く。建設計画から実に6年間かけて竣工にこぎつけたこともある。少年硬式野球の指導歴は15年に上り、2021年にはリトルリーグ監督として全国大会出場も。神奈川工科大学機械システム工学科卒。1973年7月生まれ、48歳。