農産流通2社と提携、国内最大規模のアグリ連合誕生

 エア・ウォーターは、青果の流通加工を手掛けるベジテック(神奈川県川崎市、遠矢康太郎社長)、デリカフーズホールディングス(東京都足立区、大善保社長)の2社と業務提携し、互いの資源を活用した青果流通加工プラットフォームを構築する。

 農産物の調達力を強化するだけでなく、仲卸加工やチルド、冷凍、飲料、粉末、レトルトなどの加工力と販売ルートも持つバリューチェーンの構築をめざす。実現のため運営委員会を設置しており、ベジテックの遠矢社長が委員長に就いた。

 手始めに、北海道での調達をエア・ウォーターに集約し、調達機能の強化のため北海道のエア・ウォーターグループ各社を4月に統合・再編する予定。

 2月20日の記者会見で、エア・ウォーターの豊田喜久夫代表取締役会長・CEOは「ようやく形にできた」と喜びを隠さず、経緯について「日本の食料自給率は37%(エネルギー換算)。特に中国からの野菜の輸入が大きいが、今後どうなるかわからない部分もある。また、それ以上に重要なのは日本の農業をしっかり支えなくてはいけないということだ」と強調した。

 さらに「今後、参加したいという人が出てくるかもしれない。そうなれば(同業界に)一石を投じることとなる」と将来像を示した。

 アグリ&フーズグループ担当の鹿島健夫専務は同グループの歴史を説明するとともに「足元では加工度の高い商品も作っている」と報告。エア・ウォーターのアグリ・食品事業(農業・食品関連)と提携2社の売上高合計は約2400億円となり、青果卸マーケット3兆円の約8%を占める業界最大規模のアグリ連合体となるが、今回の提携でまずは3000億円の達成をめざす方針を示した。

 ベジテックの遠矢社長は「デリカフーズの事業は外食ルートが90%以上でありそれぞれ互いに補完できる関係。今回の提携は大きなチャンスとなる」と期待を述べるとともに、「豊田会長が横で見ているからね」と冗談を混ぜながらも、スピード感をもって運営を進める考えを示した。

協業の実現に強い意思を示した豊田会長(中央)とベジテック遠矢社長(右)、デリカフー
ズHD大社長

資本関係を強化、新たな加工拠点の計画も

 インフラ面では、3社合計の物流・貯蔵拠点が全国をカバーする120カ所となり、共同活用で効率化が期待できる。加工拠点は合計44。さらに、早い段階で新たな加工拠点を新設する計画もあり、資本関係も結んでいる。

 ベジテックとは2月8日付で業務提携の契約を締結した。エア・ウォーターは同社株式の5%を持つこととなった。

 エア・ウォーターは仲卸事業に加え、カットサラダやミールキットなどの簡便商品を手掛ける加工製造事業と、野菜を半切、4分の1サイズなどにカット包装加工するプロセスセンター事業を主力とし、ISO/IEC17025(残留農薬分析・放射能分析・栄養分析・微生物分析)取得の自社検査機関「理化学分析センター」を持つ。

 デリカフーズホールディングスとは第三者割当増資を引き受ける方法により同社株式を追加取得することについて20日合意した。第三者割当増資は3月中に実施。これによりエア・ウォーターの同社への出資比率は現状の1.49%から10.57%に増える。

 同社は外食向けを中心とした業務用野菜の仕入販売や、チルドカット野菜の製造販売事業を展開するデリカフーズを中心に様々な機能を持ち、国内外の契約産地から安定した仕入れを行うことができる調達力と、商品を3万店舗の顧客に配送するチルド配送網を全国に構築している。

 エア・ウォーターのアグリ・食品事業は、野菜の調達と加工、ハム・デリカ、冷凍食品、スイーツ、野菜・果実系飲料、青果小売などの事業を展開しており、冷凍技術やガス置換による鮮度保持技術を持つ。近年は市販冷食事業にも力を入れている。